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宍道湖が育んだシジミの力で美味しく、美しく、健康に 〜 宍道湖しじみ 〜

SPEAKER→宍道湖漁業協同組合

2023年03月28日

「水の都・松江」を象徴する宍道湖は、海水が入り混じる汽水湖のため、豊富な魚介類に恵まれた湖。中でもヤマトシジミの漁獲量は日本一を誇り、その美味しさと栄養面から、全国で高い評価を受けています。宍道湖のシジミを守り続ける宍道湖漁業協同組合の福間弘幸さんに、しじみ漁師としての思いを聞きました。

宍道湖漁業協同組合

漁獲量日本一!漁師や市民たちに守られてきた
宍道湖の黒い宝石

松江のシジミの歴史は古いですよ。市内の資料館等に貝塚が展示されていますが、大きなシジミの貝殻も見つかっていますので、このあたりには縄文時代からシジミがいて、人々が利用していたと考えられます。
現在、ヤマトシジミの漁獲量は約4,000トン。全国の漁獲量が約9,000トン弱ですから、40%以上は宍道湖のシジミということになります。戦前から「漁業会」という漁師をまとめる団体があり、戦後になって「宍道湖漁業協同組合」という名称に変わりました。現在は620名の漁師が所属しており、そのうち260名がしじみ漁師。宍道湖で採れるさまざまな魚介の中でも、漁業生産量の9割を超えるしじみ漁は、宍道湖の代表的な漁業です。
松江の食文化でもあるシジミを後世に残すため、漁師も地元民も長い歴史の中で大切に守り続けてきました。一日の採捕量や操業時間、休漁日など厳格な規定を守ることはもちろん、保全活動も定期的に実施し、栄養豊富で良質なシジミをお届けできるようにしています。

宍道湖漁業協同組合

宍道湖しじみ

美容と健康にいい成分がいっぱい!
驚くべきシジミの栄養素

しじみ漁が行われるのは早朝。時期によって多少時間帯は変わりますが、朝の漁の様子は宍道湖の風物詩ともいわれています。シジミは通年採れますが、夏の「土用しじみ」と冬の「寒しじみ」が一般的にいうシジミの旬。土用しじみは産卵前で身が太っているため、ぷりぷりとした食感がありますね。寒しじみは土の中で栄養を蓄えるので、コクのある味わいになるといわれます。人によって好みは違うと思いますが、どの時期でもそれぞれの味わいがありますよ。
「シジミを食べれば健康になる」というくらい、シジミはタンパク質やビタミンが豊富で、体に必要な栄養素がたくさん入っています。必須アミノ酸もバランスよく含まれていて、疲労回復や成長ホルモンの分泌を助けるオルニチンも豊富とか。あと美容効果も高いと言われますが、確かにこのあたりのしじみ掻きの女性たち、みんな肌にハリがあってキレイですよ!漁師たちみんな元気です。
宍道湖のシジミは身がふっくらしていて味が濃いとよく言われます。食べ方は味噌汁が王道ですが、漁師たちの間ではすまし汁も人気ですね。身を取るのは少し手間ですが、栄養があるのでぜひ食べてください。最近は若い人があまり食べなくなってきていますが、本当に身体に良くおいしいものなので、もっとたくさんの人にシジミの良さを知っていただきたいです。
シジミは採って終わりではなく、採ったあとに一粒ずつ選っていく作業があるんですよ。固いところに転がして音を聞いて、空のシジミや不良品などがないか、漁師が耳と目と手で判別していく、漁よりもずっと時間がかかります(笑)でもお客様に安心して食べていただくためには必要な作業ですからね。
日本全国シジミの産地はありますが、場所によって味は少しずつ違います。「やっぱり宍道湖のシジミはおいしい!」と言ってもらえるように、手間をかけてでも良質なシジミを届けたいと思っています。

宍道湖しじみ

宍道湖漁業協同組合

〒690-0049 島根県松江市袖師町6-9

TEL 0852-21-3391/FAX 0852-31-1837

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